002/011] 90 - 衆 - 本会議 - 35 号(回) 昭和21年08月24日
「○野坂參三君 私は日本共産黨を代表しまして、今上程されました委員長報告修正案及び之と切離すことの出來ない全憲法草案に付て、私達の所見を述べ、此の修正案及び原案全體に對して反對の意見を述べたいと思ふのであります」

抜粋
「 更に當草案は戰爭一般の抛棄を規定して居ります、之に對して共産黨は他國との戰爭の抛棄のみを規定することを要求しました、更に他國間の戰爭に絶對に參 加しないことを明記することも要求しましたが、是等の要求は否定されました、此の問題は我が國と民族の將來に取つて極めて重要な問題であります、殊に現在 の如き國際的不安定の状態の下に於て特に重要である、芦田委員長及び其の他の委員は、日本が國際平和の爲に積極的に寄與することを要望されましたが、勿論 是は宜いことであります、併し現在の日本に取つて是は一個の空文に過ぎない、政治的に經濟的に殆ど無力に近い日本が、國際平和の爲に何が一體出來やうか、 此のやうな日本を世界の何處の國が相手にするであらうか、我々は此のやうな平和主義の空文を弄する代りに、今日の日本に取つて相應しい、又實質的な態度を 執るべきであると考へるのであります、それはどう云ふことかと言へば、如何なる國際紛爭にも日本は絶對に參加しないと云ふ立場を堅持することである、之に 付ては自由黨の北君も本會議の劈頭に於て申されました、中立を絶對に守ると云ふこと、即ち我が政府は一國に偏して他國を拜すると云ふが如き態度を執らず、 總ての善隣國と平等に親善關係を結ぶと云ふことであります、若し政府が誤つて一方の國に偏するならば、是は即ち日本を國際紛爭の中に巻込むこととなり、結 局は日本の獨立を失ふこととなるに違ひないのであります、我々は我が民族の獨立を飽くまで維持しなければならない、日本共産黨は一切を犧牲にして、我が民 族の獨立と繁榮の爲に奮鬪する決意を持つて居るのであります、要するに當憲法第二章は、我が國の自衞權を抛棄して民族の獨立を危くする危險がある、それ故 に我が黨は民族獨立の爲に此の憲法に反對しなければならない、是が我々の反對する第四の理由であります」

「要するに當憲法第二章は、我が國の自衞權を抛棄して民族の獨立を危くする危險がある、それ故 に我が黨は民族獨立の爲に此の憲法に反對しなければならない、是が我々の反對する第四の理由であります」

日本共産党さんは、憲法改正に唯一反対した党ですが?

「もちろん、日本共産党さんは、反共デマ、野坂参三氏はソビエトのスパイ、と返しますが」